在庫を抱えない

資金繰りを分かりやすくするため在庫を抱えない

出口の見えない不景気が続く昨今、どこの企業も在庫を減らそう、或いは在庫を抱えないようにしようと躍起になっている筈です。在庫と資金繰りに関して言うと、在庫という項目は資金繰り表には一般的には直接的には表れません。

が、これも資金繰りに大きく影響します。在庫を過剰に抱えてしまったが故に、企業の経営状況が悪化してしまったという話も珍しくありません。では在庫と資金繰りとは、一体どういう関係にあるのでしょうか。

ここでは在庫と資金繰りに関しての話を進めていくことにします。
商品にせよ、或いは製品の原材料にせよ、在庫を抱えるということはどういうことでしょうか。在庫と言っても、当然それにはその購入資金や製造コストなど、相応のお金がかかっています。

従って適量な在庫ならともかく、所謂過剰な在庫を持ったままにしておくと、その在庫を抱えるために仕入代金として自社から出て行った資金は、結局その在庫が処理、即ち売れるまで回収できないことになります。

つまりお金のかかっているものを結局倉庫に寝かせたまま、遊ばせたままになってしまうからです。わかりやすい例で言えば、皆さんが服を買ってきて、もしそれを着ないでずっと洋服ダンスに入れたままにしておいたなら、それは立派な過剰在庫と言えます。

服の購入にはそれ相応のお金がかかっているわけですから、折角お金を出してまで買った品物を使わないで遊ばせてしまっていたら、それはまさに無駄と言えます。
過剰在庫が資金繰りに及ぼす悪影響は以上でお分かりいただけたかと思いますが、こうした過剰在庫は、資金繰りに悪影響を及ぼすだけではありません。

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在庫を保管する倉庫、スペースも無限にあるわけではありません。過剰在庫を多く抱えてしまうと、それによって売れ筋商品や新商品を倉庫に保管するスペースが少なくなってしまいます。また在庫には保管コストも掛かります。それにまた在庫は、時間とともに品質が劣化します。先ほどの服の例で言えば、ずっと着ないままで放っておくと、カビが生えてしまう可能性もあります。

そうなると場合によっては洋服ダンスに入れている他の服にまでカビが生えてしまう可能性だってあります。

また製品には流行があります。もし製品が売れないままでずっと在庫として保管されていると、その製品がいつの間にか流行から外れてしまう事だってあります。

もしそうなってしまえばその製品は陳腐化してしまい、ますます売れなくなってしまいます。こうして時間の経った在庫は製品の劣化、陳腐化が進み、それによって製品の回転率が悪くなってしまいます。売れない製品が長期間倉庫や売り場に滞留してしまっては、製品がいつまでたっても資金に変わらないばかりか、もしそれが小売業であれば、売り場にいつまでたっても売れない商品、所謂死筋商品が残ったままになってしまい、結局売れない商品ばかり揃えた、お客様にとって魅力のない店になってしまいます。

先ほども書いたようにこうして製品一つ一つにもお金がかかっています。これらが資金ができなければ、当初これらの製品を仕入れ、或いは製造する際に投じたお金がいつまでたっても回収できず、その結果資金繰りを悪化させることになるのです。在庫が資金繰りに与える影響について、以上でお分かりいただけたでしょうか。

勿論在庫は全くのゼロではいけません。もし売れ筋の製品が売切れてしまい、はたまた在庫まで切らしてしまうと、折角その製品が売れるはずだったにも関わらず、その機会を逸したことになりますから、これはこれで大きな損失と言えます。

これを機会損失と言います。従って仕入担当者は,以上のような欠品即ち機会損失の発生を恐れて、安全在庫の積み増しを志向するでしょう。ですが在庫の上記のようなマイナス面があることも確かです。

従って仕入れ担当者や在庫管理担当者のみならず、企業の経営者自らも立ち会って、在庫管理のルールを定め、適正在庫に努めることが大切です。そうすることが企業の資金繰りを助けることにもなるのです。